エンディングノートには、人生の最終章を有意義に生きるためのメリットがあります。

最近は、「終活ブーム」と言われますが、人生の最終章に書き綴る「エンディングノート」は、これからもさらに世間に浸透し、普及していくと思われます。
その理由は、エンディングノートを書くことにはメリットがあるからです。逆にいうと、エンディングノートのメリットが明確になれば、エンディングノートを書く人はさらに増えていくでしょう。
このページでは、エンディングノートのメリットとは何かについてご説明をします。
「エンディングノート」のメリットは?
エンディングノートとは、その名の通り「人生の終末」を書いたノートのことです。
今日「終活」が盛んに行われるようになり、人生の終期を迎えるライフステージにおいて、自分のこれまでの人生はどうだったのか、その反省に立って残りの人生に何をすべきか、などを考えたとき、頭に想起した思いを具体的に文字に書いておきたいと思います。
そんなときの思いを書き留める手段として「エンディングノート」が用いられるようになりました。
映画における「エンディングノート」のメリットは?
エンディングノートという言葉が広まった背景には、終活自体が注目されたこともありますが、「エンディングノート」という映画が公開されたことも大きな要因となっているようです。
この映画は、仕事一筋に生きた末期がんの父親(砂田知昭氏)の姿を、監督である実の娘(砂田麻美氏)が追ったドキュメンタリーです。
すべてにおいて生真面目な砂田知昭氏は、67歳の時、仕事も一段落し、40年以上勤めた会社を退職、第二の人生を歩み始めた矢先に、毎年欠かさず受けていた健康診断で胃ガンが発見されます。すでにステージ4。発見時にはすでに手術が不可能な状態でした。そのガン告知後、彼がまず取り組んだのは「エンディングノート」と呼ばれるマニュアル(「自らの死の段取り」)作りでした。
そして、この映画の副題は「わたくし、終活に大忙し」となっているように、砂田知昭氏は、作成した「エンディングノート」通りに、ポジティブに活動を開始します。
つまり、砂田知昭氏にとって「エンディングノート」は、自分の寿命を知った者の思いを書き出し、整理し、まとめ、具体的な行動の計画書として機能するというメリットを持ったものとなりました。
エンディングノートは、遺言書や遺書とはどう違うの?
遺言書・遺書・エンディングノートのそれぞれは、似ているようで、その役割は異なるものです。
遺言書
自分に万一のことがあった場合に財産(遺産)を誰にどれだけ譲渡するか、事業や不動産などの管理を誰に託すか、などを生前に取り決めた意思表示を民法の規定に従って書面に残したものです。つまり、このとき、遺言書は「死後の財産分与」としての役割を持ちます。
遺言書の内容は、原則として法律で定められた相続の規定よりも優先されるなど、法的効力があるため、相続を円滑にし、トラブルを防止するために作成されることが多いようです。
遺書
死を前提に、自分の気持ちを家族や関係者に伝えるために記したものです。家族などへの感謝の言葉や、何らかの身の潔白や言い訳など、また他人に対する告白や意思の表示などについて書かれるものです。遺言書のような遺産について書いても、法的な効力は発生しません。遺書は「最後のメッセージ」としての役割を持ちます。
エンディングノート
エンディングノートには、遺言書のように法的効力はありませんし、遺書のように、死を前提にする必要もありません。また、病気によって死期が迫っている場合だけではなく、将来的には、死亡の際に家族に伝えられるものとして書かれることも少なくありません。
エンディングノートは、最近では、若者の手によって書かれることもあります。また、日常の覚書を兼ねて書くことによって、それがそのまま死後において、家族の役に立つことにもなります。
エンディングノートを書くメリット
家族に思いを託すことができる
自分の希望を文字として書き残すことができるのがエンディングノートの最大のメリットです。遺産相続などの金銭的なことは、法的効力のある遺言書に記しますが、どのように葬儀を行ってほしいか、誰を呼んでほしいか、といったことのほかに、家族に向けて感謝の言葉を伝えることもでき。
これまでの人生を振り返ったり、余生のために書くことができます
エンディングノートを書くことで、これまでの人生を振り返ったり、反省をしたり、改善を試みることにより、これからの余生をどのように生きていくのか、ということを考えるきっかけにもなります。
エンディングノートの選び方
エンディングノートに決まった形式はありませんから、市販のノートを使ったり、WordやExcelを使って、パソコンに保存しておくこともできます。
また、最近では、スマートフォンのアプリを利用することで、エンディングノートを書くこともできます。この場合、簡単に編集することができるというメリットもあります。ただし、スマホのパスワードは、家族の誰かに何らかの形で教えていなければ、後にエンディングノートとして役に立たないということもありますので、注意が必要です。
また、エンディングノートにどのような内容を書けばよいかわからないという方は、文房具店や書店などで販売されていますし、インターネットで書式をダウンロードすることもできますので、必要なものだけダウンロードして印刷し、ホッチキスで閉じたり、市販のノートに貼り付けて使用することもできます。
エンディングノートの書き方
特に決まっておらず、自由に書くことができますが、エンディングノートの性格上、最初に終末期医療についての対応や葬儀への希望、友人や知人などへの連絡先、貯蓄・保険・年金・その他の貴重品の情報など、緊急時においても、家族が困惑しないような備えとなる情報を書いておきましょう。
そのようなことさえ書いておけば、あとはどのようなことを書くのも自由です。エンディングノートは公式な書類ではありませんので、気楽な気持ちで、家族に伝えたいことや感謝の気持ちなど、自由に書いてみましょう。
また、エンディングノートは、訂正することも、書き加えることも自由ですから、一度書いたらそれで終わりではなく、時期を見て見返し、訂正したり修正したりすることも良いことです。
また、イラストや写真を載せるなど、自分らしいエンディングノートを作成することもできます。
エンディングノートに書いておくべきことの一覧
自分史として
誕生してから、現在までのことを書きます。人生には、入学、卒業、就職、結婚、出産など、様々なライフイベントがあり、その都度、喜びや悲しみ、ときには怒りや失望など、様々な感情もあったはずです。そのような人生を振り返りながら、自分史を書いてみましょう。
- 親や兄弟との思い出
- 学歴
- 職歴
- 幼少期から、これまでの思い出
- 配偶者との思い出
- 子供との思い出
- これまで住んだ家や場所
親戚・友人・知人リスト(お葬式の際に連絡すべき人)
人の一生においては、誰でも、多かれ少なから知人や友人がいるはずです。しかし、そのような知人や友人に、面と向かって感謝をしたり、お礼を言うのは恥ずかしいものですし、そのような機会も少ないものです。エンディングノートに、家族や友人、お世話になった方への感謝の言葉を綴り、気持ちを伝えましょう。
- 親類関係
- 友人関係
自分の財産について
年金証書や保険の証書、介護保険証や健康保険証、または通帳と印鑑など、貴重品の保管場所などをエンディングノートに記しておくと、家族はスムーズに対応することができます。ただし、エンディングノートには貴重品に関する情報が書かれているので、十分に管理する必要があります。
また、法律で定められた財産分与以外の方法を希望する場合は、遺言書が必要ですので、エンディングノートには、遺言書を作成していることや、誰が管理しているかなどを記載します。
- 預貯金 (通帳と印鑑などの保管場所)
- 株式
- 不動産
- 有価証券や金融資産
- 借入金・ローン
- 生命保険、損害・傷害保険など加入保険
- 介護保険証や健康保険証
- マイナンバー、年金証書、
- 個人年金、企業年金
介護・告知や延命治療など
たとえ末期症状や認知症により自己判断ができなくなった場合でも、家族の負担を取り除くために、末期の状態になった時、どの程度の医療行為を要望するのか、意思を表明しておきましょう。
- 介護が必要になった場合
- 介護のための費用
- 介護が必要になった場合、資産管理をお願いしたい人
葬儀のこと
葬儀の連絡だけでなく、入院や施設に入所したことの連絡、同窓会や趣味の会など、様々な方への連絡が必要となります。しかし、家族が交友関係のすべてを把握すること少なく、その場合、家族の方たちは対応に非常に困ってしまいます。ですので、エンディングノートに、友人や知人の連絡先一覧を書いておくと、家族の方は非常に役に立つことでしょう。
- 葬儀の実施について
- 葬儀業者や会場について
- 葬儀の費用
- 宗教・宗派について
- 戒名・法名について
- 葬儀の規模
お墓のこと
- 希望する埋葬方法
- お墓の場所がわかっている場合
- お墓の費用について
- その他、お墓について伝えておきたいこと
携帯電話、会員サービスなど(特に、解約の必要がある内容)
最近は高齢者の方でもSNSを楽しむ方が増えていますが、退会手続きを取らなければ、永久にアップされたままになります。
また、様々なデジタル情報を持っている場合、アドレスやパスワード、退会手続きなどの操作方法をノートに記しておいた方がよいでしょう。パソコンなどのパスワードも忘れずに記載しておきましょう。
- 携帯電話
- パソコン・プロバイダ
- その他会員サービス/WEBサービスについて
- デジタル情報
形見分け遺品の整理(処分品リスト)
遺言を残している場合、その保管場所を記しておきます。
また、貴金属品やコレクションなどを誰にどのように分けるかを記しておきます。逆に、貰っても困るようなコレクションは、処分の方法を記します。なお、コレクションの中には、家族にとって価値はなくても、愛好家には人気のある品であったり、歴史的に貴重だったりするものもあると思いますので、それらの品を譲り受けてもらえるところを決めておきましょう。
- 形見分け
- 遺品の整理
- 遺品の個別対応リスト
遺言書や依頼先のリスト
- 遺言書の有無
- 遺産分割について
- 依頼・相談先リスト
大切な人へのメッセージ
家族や友人に対し、感謝の言葉、思い出話、最後に伝えたいことなどをメッセージとして残しておきます。また、写真を添えたり、動画として残すこともできます。特に家族に対しては、普段通りの言葉で語り掛けるように思いを伝えるのが良いと思います。
- 例えば、家族に残すメッセージ等
さらに、ペットを飼っている場合
ひとり暮らしの場合、残されたペットを誰に引き取ってもらうか、決めておく必要があります。また、ペットに個性があり、好きなもの、嫌いなもの、苦手なものなどがあると思います。さらに、ペットに持病があったり、注意をすべき食べ物もあったりしますので、必要なことはすべて書いておきましょう。
- かかりつけの獣医
- ペット保険
- 飼育上の注意
- 私に何かあったときとき、ペットをどうしてほしいか
上記のエンディングノートに書くべき内容を見ると、大変多いように感じるかもしれませんが、中には人によって不要な項目もあります。そこは省き、書けるところから書いていけば、そのうち充実したエンディングノートができます。
終活に役立つエンディングノートとは
最近ブームとなっている「終活」とは、終わる活動と書いて「終活」と言うため、一般的に、自分の終焉に備えて準備をする活動のことと言われています。
その背景には、時代が少子高齢を迎えたことから、残る家族や子供にあまり負担をかけないようにとか、お葬式に大金をかけないようにとか、お墓が遠くてあまり管理ができないとか、急激な時代の変化に対応するために、残される家族や友人などにあまり負担をかけないように、自分の意思を明確にしておくためだといわれています
終活の考え方にも変化が生まれています
しかし、「終活」が言われ始めた当初、あまり自分の死期のことは考えたくないということで、軽減されがちだったのですが、自分の死後のことを家族任せにするのではなく、自分自身で責任を取っていこうとする考えが主流となってきました。
そして、そのような終活を自分ひとりで寂しく行うのではなく、夫婦や仲間同士で悩みを分かち合ったり共有しながら、楽しく取り組んで行こうという風潮に変化することで、「終活」が一挙に社会現象となって認知されるに至ったと思われます。
終活の取り組みにも変化が生じています
エンディングノートを書く際に、自分の人生はあと10年かもしれない、いや20年かもしれない、さらに30年かもしれないと思うと、その間に何か有意義なことができるのではないか、という前向きな気持ちになるものです。
つまり、エンディングノートを書き始めることによって、人生を振り返ったり、やり残したことを見直すきっかけとなる場合があります。
従って、エンディングノートはネガティブな姿勢で書くのではなく、これらの人生を前向きに悔いなく生きるために書きたいものです。

エンディングノートをいちばん簡単に書く方法
エンディングノートは、遺言書とは異なり、書く内容に決まりがなく、自由に書くことができます。しかし、そのように自由であることが、かえって書きにくい人にになるということもあります。
そこで、エンディグノートをいちばん簡単に書く方法として、このサイトでは、市販のエンディングノートや、無料配布されているエンディングノートを入手することをおすすめしています。
これらのエンディングノートには、書くべき内容が項目別に整理されているため、自分が書けるところから書き始めることができます。項目の内容には自分に関係のないものもあるため、すべてを書く必要もありません。
なお、項目別に整理されたエンディングノートは、冊子状に綴じられたものがおすすめですが、このようなエンディングノートには欠点もあります。それは、項目別に整理されたエンディングノートは、書き込むスペースが限られているため、もっとか聞きこみたいとき、スペースに不足を感じることです。
特に、自分の今の想いや出来事、将来の計画などを自由に書き込みたい人にはおすすめですが、もう1冊、大学ノートのように自由に書き込めるノートを100均や文房具店などで購入して、2冊構成でエンディングノートを書くのがおすすめです。
エンディングノートに完成はなく、書き直してもよいものです
また、エンディングノートを書き始めても、その後の人生は続くものですから、あとから状況や考えが変わることもあります。
従って、一往書いてからそれで完成ではなく、変更があれば、その都度、書き直したり、書き足す必要があります。そのため、エンディングノートは修正が自由にできるように、鉛筆書きで書くのがおすすめです。
なお、鉛筆の成分である黒鉛は筆記具の中で一番耐久性があり、しかも必要なら消しゴムで消して書き直すこともできます。
また、市販されているエンディングノートや無料配布のエンディングノートは、いずれも項目別に整理されているため、書けるところから書くことができるという利点があります。しかし、書く込むスペースが限られているため、書くスペースが足りなくなるという欠点もあります。このため、必要な部分に紙を貼り足したりするという工夫をしながら書クことも出します。
さらに、別途、自由に書ける大学ノートや100均などで購入したお気に入りのノートを用意し、日記風に好きなことを書いておくこともできます。
エンディングノートの保管場所
エンディングノートには、重要な個人情報や秘密にしておくべき内容などを書くこともあります。相続に関することなどは、事前に身内に知られてしまうことで、トラブルにつながるおそれもあります。
そのために、エンディングノートは、誰にも見られる場所ではなく、目につかない場所に保管しておく必要があります。しかし、信頼できる人には、エンディングノートの保管場所を教えておくことも必要です。
なお、人の目に使いない場所に保管するといっても、銀行の貸金庫に保管すると、借りている本人が亡くなった場合、金庫を開けてもらうのに煩雑な手続きが必要になるおそれもありますので、遺族が探し出しやすい場所に保管しておくことをおすすめします。
エンディングノートを書き始めるには、どのようなエンディングノートを選択するかが、ポイントとなります。
現在、エンディングノートは、市販の他にも無料で入手できるエンディングノートもありますので、無料のエンディングノートを入手して、どれにするか検討するのもおすすめです。
エンディングノートは、書きやすく、小冊子に製本されたものがおすすめ!
なお、無料のエンディングノートを入手する方法として、パソコンなどで無料でダウンロードする方法もあります。
しかし、ダウンロード版は、パソコンの操作やプリンターが必要になります。そして、印刷した用紙をホッチキスで止めて使用することになり、表紙もしっかりしていないため、きちんと残しておくのには問題があるように思います。
ですので、エンディングノートはやはり、表紙があって、しっかり綴じられたものを入手するのがおすすめです。
終活に役立つエンディングノートを無料で入手する方法
このような無料のエンディングノートとしては、葬儀社や葬儀関係のサービス会社が無料で提供しているものを利用するのが、一番容易に入手できる方法です。
私が、無料で入手したエンディングノートでおすすめは、次の2社から提供されているものです
※いずれも各社のホームページで資料請求(無料)をすれば、郵送等で入手できます。その方法は、後述します。
- 「よりそうお葬式」のエンディングノート:A4版・30ページ
- 「小さなお葬式」のエンディングノート:A4版・
30ページ⇒18ページに変更されています
いずれも、葬儀関係のサービス会社から発行されているエンディングノートですが、項目の取り方やデザイン等で違いがあります。それぞれのノートについて説明してありますので、ご参考にして下さい。
なお、各社に資料請求をした時、なかには担当者から電話があって、葬儀のことなどについて聞かれる場合があります。
簡単に無料のエンディングノートを入手したいのに、担当者から電話があって電話であれこれ聞かるのは面倒なことですが、「よりそうお葬式」と「小さなお葬式」に資料請求をした際には電話もなく、豊富な資料といっしょに、おどろくほど良くできたエンディングノートが2 ~3日で郵送されてきました。
1)よりそうお葬式の「エンディングノート」

「よりそうお葬式(旧名シンプルなお葬式)」のホームページから資料請求(無料)した方全員に、特典として配布される無料の「エンディングノート」です。
「よりそうお葬式」のエンディングノート:A4版・全30ページ
ノートのタイトルは「MY NOTE」となっているため(表にも裏にも「エンディングノート」の文字は一切ありません)、終活用として使用する以外にも、忘備録として日常的にも使いやすいように編集されています。
よりそうお葬式では、資料請求をした者に、エンディングノートのほかに「喪主ガイドブック」という小冊子も無料でついてきます。

「よりそうお葬式」に資料請求はこちらからできます
>>「よりそうお葬式」のホームページ
※「よりそうお葬式」に資料請求をした場合、2~3日で郵送で届けられます。なお、資料請求後にも担当員からの電話はありませんでした。
2)小さなお葬式の「エンディングノート」

「小さなお葬式」でも、とても素晴らしい「エンディングノート」を無料プレゼントしています。
小さなお葬式のエンディングノートは、B-5版の大きさで、全18ページとなっています。
また、「小さなお葬式」は、今では、資料請求をした者全員に「喪主が必ず読む本」という冊子をプレゼントしています。

>> 「小さなお葬式」はこちらにまとめてあります。「喪主が必ず読む本」
※「よりそうお葬式」のエンディングノートに関しては、各ページを写真に撮ってあります。
「小さなお葬式」に資料請求はこちらからできます