葬儀社の選び方

いいお葬式にすることができるかどうかは、葬儀社の良し悪しで決まります。
なぜかというと、現在、葬祭業には公的な資格が決められておらず、認可や届出も不必要となっています。そんな事情の中で、葬儀社は全国に大小含めて8,000以上存在するといわれています。
このため、業者によってサービスがずさんであったり、スタッフが未熟であったりで、業務の質に違いが生じるのも当然といえます。ですので、同じ葬儀社だからサービスも同じでしょう、と安易に考えていると、とんでもないことになるかもしれません。
そこでこの記事では、葬儀社選びで後悔しないためのポイントをご紹介します。
葬儀社を決めるタイミングは、いつ?
葬儀社をどこにするかという葬儀社選びに関して、故人が生前に特定の葬儀社とおつきあいがあったり、エンディングノートなどに書き残してあれば、基本的にはそれに従うべきです。
問題は、故人が生前において葬儀社に関する希望や指定を表明していなかった場合です。
その場合は喪主が中心になって葬儀社を決めなければなりません。
それでは葬儀社を選ぶベストな時期はいつかというと、時間に余裕がある故人の生前ということになります。故人の生前なら、たくさんの葬儀社に関する情報を集めることができ、各社が用意しているプランを比較したり、評判などについても事前に調べておくことができます。
葬儀社決める時期に関する一般データ
現在はネットの時代で、直接葬儀社に訪問をしなくてもネット検索で地域の葬儀社に関する調査が可能になっています。
そのような事情もあってか、現在では、葬儀を行ったご遺族の約40%が生前に葬儀社を決めています。また、その決定の時期は故人が逝去になる半年以上前に、という方が多いようです。
なお、特に冬場においては葬儀社が混む時期もあり、葬儀社を決めてあっても空きがないこともあります。その時、慌てないように、葬儀社の第1候補、第2候補、第3候補まで決めておくと、葬儀社が見つからないという最悪の事態を免れることができます。
葬儀社を選ぶ前に決めておきたいこと
逝去後は時間に追われるため、「すぐに葬儀社を決めなくては」とあせりがち。しかし、肝心なのは“どのようなお葬式にしたいか”です。葬儀社を選ぶ前にご家族で相談・確認し、希望するお葬式を決めておきましょう。
葬儀の規模とスタイルを決める
時代とともにお葬式スタイルは多様化しています。ご家族のみで静かに見送るか、大勢に囲まれてにぎやかに旅立たせるか、故人の人柄やご家族の想いを考慮して選びます。また、規模やスタイルによって費用が変わるので、予算との兼ね合いも図りましょう。よくわからなかったり、迷ったりしたときは葬儀社と相談しつつ決めていけばOK。
主なスタイルはこちらです。
●直葬:お葬式を行わず火葬だけでシンプルに見送ります。参列者は近親者のみで1名から10名程度が多いようです。
●一日葬:通夜式をせずに葬儀・告別式、火葬を一日で執り行うスタイル。こちらも近親者のみの参列が多く、15名程度までが目安です。
●家族葬:通夜式から葬儀・告別式といった一般的な儀式を、ご家族や親しい方たちで行うスタイル。参列者が30名程度までの小規模なお葬式です。
●一般葬:故人と縁のあった方々を広く招いて執り行う、昔ながらのお葬式スタイルです。大規模なものは100名以上が参列します。
宗教・宗派を確認する
お葬式は、故人が信仰していた宗教・宗派のしきたりで行うのが基本。葬儀社に相談する前に確認しておきます。わからないときは、菩提寺や親族に尋ねるといいでしょう。
また、ご家族のなかで宗教・宗派が異なるケースもあります。その場合は喪主の判断になりますが、故人の信仰を尊重するのが望ましいといわれています。
信仰がない、または重視しないのであれば、宗教的な儀式を行わない「無宗教葬(自由葬)」を選択するのも可能です。
お葬式を営む場所を決める
お葬式は、故人の住所地で行うのが通常。しかし、故人がなんらかの事情で地元から離れて暮らしていた、喪主や親族の住まいが遠くで集まりにくいなどの理由で故人の住所地以外でのお葬式を希望される場合があります。
基本的にお葬式を執り行う場所は自由に選べるので、喪主とご家族で相談して決めればOK。ただし、菩提寺や地域のしきたり、ご遺体の搬送、火葬のタイミングなど多くのことに調整が必要です。十分に検討し、イレギュラーな対応ができる葬儀社に依頼しましょう。
葬儀社の選び方。ポイントは、「料金」と「対応力」。
数あるなかから、ひとつの葬儀社を選択するのは至難の業。「どこを基準にして選べばいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
こちらでは、葬儀社を選ぶポイントをいくつかピックアップします。
1)希望のお葬式スタイルに適しているか?
前もってお葬式のスタイルや規模を決めていても、お願いする葬儀社が対応できなければ実現できません。例えば、宗教儀式にとらわれない自由葬を執り行いたいと考えていても、用意したプラン以外のお葬式は受け付けない葬儀社ではかないません。 さらに、近年は特定のスタイルに特化した葬儀社もでてきました。「小規模な家族葬にしたい」という要望があるなら、家族葬を得意とする葬儀社に依頼するといいでしょう。
2)料金が明確か?
お葬式の料金設定は、葬儀社によってまちまちです。内容や項目にも違いがみえ、見積もりをとっても書き方が異なっているため比較しづらいことも。また、パッケージ化された安価なプランを申し込んだのに、あとから多額の追加費用を請求された…なんてケースもあるようです。
葬儀社を選ぶときは書面で見積もりをだしてもらい、「項目の明細がはっきりしているか」「料金には何が含まれているのか・何が含まれていないのか」「追加費用は発生するのか」などを細かくチェック。不明点は質問し、明確にします。答えがあやふやだったり、書面で見積もりをださなかったりする葬儀社は避けたほうがいいでしょう。
3)スタッフの対応力は高いか?
喪主やご家族は葬儀社のスタッフといっしょにお葬式を執り行います。つまり、スタッフの対応が悪いと満足できるお葬式は実現しないのです。また、スタッフとは密なコミュニケーションをとるため相性も重要。話しにくい担当者だと、ストレスがたまります。
インターネットで申し込むだけではスタッフの質はわかりづらいので、電話での問い合わせや事前相談時の対応を通して判断してください。
チェックポイントとしては…
●こちらの話をよく聞いてくれたか
●希望にそった提案をしてくれたか
●納得のいく説明をしてくれたか
●ためになるアドバイスをしてくれたか
●質問にしっかり答えてくれたか
●あいさつや言葉遣いは丁寧だったか …など
事前相談などで葬儀社へ足を運べば、スタッフと対面して確認できます。さらには、服装やヘアメイクの印象、会社の雰囲気なども感じとれるでしょう。
ポイント〈4〉評判は悪くないか?
親族や友人・知人、近所の方などでお葬式を行った経験がある人がいれば、おすすめの葬儀社を尋ねてみてください。信頼できる経験者からの口コミはとても参考になるので詳しく聞いてみるといいでしょう。
また、最近はインターネットなどでリアルな声を集められます。ネットの情報はすべてが信用できるわけではありませんが、判断材料のひとつになります。著しく評判が悪い葬儀社は避けたほうが無難です。
葬儀場の選び方

葬儀はどこで行う?斎場、葬儀場、葬祭場等の違いは?
葬儀を行う施設にも、斎場、葬儀場、葬祭場とか色々と呼び名があるので、ここで整理をしておきましょう。
葬儀を行う施設は、斎場、葬儀場、葬祭場、葬祭会館、セレモニーホール、メモリアルホールなど、色々な名称で呼ばれていますが、特に定義があるわけではありません。
- 葬儀のための施設を大きく分けると、「斎場」と「火葬場」になります。
- 「斎場」は、通夜、葬儀・告別式を行うための式場です。
- 「火葬場」は、遺体を火葬する火葬施設です。
- ただし、葬儀を行う式場を併設している火葬場もあります。
- なお、斎場の名称を付けていても、火葬施設をもたない所もあります。
このように葬儀施設の名称が色々あるのは、それを運営する自治体や企業、寺院などが自由に名前を付けているからです。
なお、葬儀場とは葬儀を行う場所を言い、一般に、「斎場」を意味するものですが、公営式場の場合「火葬場」を併設してところもあります。
葬儀場の種類
葬儀場にはいくつか種類があります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
公営式場
公営式場とは、各自治体などが所有する公的な施設です。利用する際の費用は比較的安価ですが、基本的にはその地域の住民のみが利用可能となります。ただし、その地域の住民でなくても利用可能な所もありますが、別途費用を請求されることがあります。
なお、火葬場を併設している公営式場は、葬儀の後に火葬場へ移動する必要がなく便利であるため、利用者で混み合っていることが多く、使用を希望する際には注意が必要です。
民営式場
葬儀社が保有している民営式場は、セレモニーホールとも呼ばれています。民営式場を利用するには、葬儀社に依頼をする必要があります。公営式場は、駅から遠いところにあることが多く、アクセスの便が悪いことが多いのですが、民営式場の場合、駅から近いところで設置されていたり、設備などの条件が良いところ多く、その分、費用も公営式場より高めの設定になっています。
宗教施設
寺社などの宗教施設では、葬儀を本堂で行う他に、その宗教施設が管理している会場で行う場合があります。 寺社などの本堂で葬儀を行う場合は、檀家の葬儀等のように、基本的にその寺社に所属することで利用することが可能です。また、宗教施設が管理している会場で行う場合、檀家以外の方でも利用することができるところもありますが、使用料もそれなりに高くなります。
自治体・地域の施設
自治体によっては葬祭会館として利用できる集合施設が設けられており、そこを借りることもできます。このような集合施設は、地域の住民が弔問しやすく、ご近所同士の協力で葬儀を行う場合などには、たいへん便利ですし、使用料も無料か、非常に安価に行うことができます。
ホテル
最近では、「ホテル葬」を称して葬儀が行われることがあります。このホテル葬は、 ホテルに遺体を持ち込めないため、ごく親しい親族や友人のみで密葬を行った後に、お別れ会や偲ぶ会等をホテルで行う形式で、大人数で集まるお別れの場として最適です。例えば、有名人や芸能人等が、通夜や葬儀を家族で行った後、ホテルで友人などを招いて故人をお見送りするという葬儀のスタイルです。
自宅
葬儀と言えば、以前は自宅葬が主流でした。現在でも地方などでは自宅で葬儀を行なうことがありますが、近年では随分減っています。自宅を葬儀場に使用した場合、会場費用は不要であるため、費用を抑えたスタイルで葬儀を行うことができます。
葬儀場の選び方
葬儀場を選ぶ場合、場所の都合や、規模や予算、葬儀の内容等を決めてから選ぶ必要があります。従って、以下のようなケースに分けて、葬儀場をどこにするか検討するようにしましょう。
葬儀の参列者が多い場合は、民営式場がおすすめ
葬儀規模が大きい場合、弔問の客も多くなるため、民営式場をおすすめします。地域の施設や宗教施設では会場が小さかったり、交通の便などが悪い場合があります。大勢の方の参集を考慮すると、交通の便が良く、参集者の収容規模も大きい民営式場が適しています。
葬儀費用を抑えたい場合は、
葬儀費用をできるだけ低額で行いたい場合、葬儀の規模を小さくして、会場を低額で借りることができる公営か地域施設の利用が適しています。例えば、火葬式や家族葬のように小規模な葬儀では、パック料金もあり、低額で行ることができます。ただし、葬儀の規模が小さい場合、お香典の総額も少なくなります。
宗教にこだわらない場合(宗教色をなくしたい場合)
無宗教葬や、音楽演奏をするなど自由な形式で葬儀を行う場合は、公営式場や宗教式場では開催が規制される場合あります。この点、民営式場が柔軟に対応してもらえる可能性があります。
葬儀場の選択や依頼などの相談をしたい場合
葬儀場を公営にするか、民営にするか等を検討する場合、最近では、ネットで調べるという方法もあります。
また、ネットで調べるといっても、葬儀に不慣れなため、基本的なことから相談を受けたい場合、例えば、下記のように無料で葬儀全般に関する相談を受け付けているサービス会社があります。
全国の優良な葬儀社を紹介している「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」にお願いする
テレビCMでも有名な「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」の利用方法は、ネットでを検索してホームページを開いて、そこから相談を申し込むことが可能です。
「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」では定額料金で葬儀ができる
葬儀費用がパック料金として定額で決まっている「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」に依頼をすると、地域の優良な葬儀社を紹介してもらえます。
なお、このような「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」では、葬儀費が一括で定額となっている低料金のプランがあり、葬儀の規模や希望する形態に応じて、火葬式、家族葬、一日葬、一般葬等を選択することができます。
そのようなことを避けるには、それぞれの葬儀がどのような内容で行われるのかを予め知っておく必要があります。その意味でも「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」に資料請求をして内容を詳細に把握ておくことをおすすめします。